海外へ留学したいと思っている大学生の割合は女性が男性を上回っている一方で、大学院への進学を望む女子学生の割合は男子学生に比べて低いことが、文部科学省科学技術・学術政策研究所が公表した調査報告「大学学部生の科学技術情報と進路選択に対する意識」で明らかになった。海外に出て自分の世界を広げようとする女子学生の積極性は、大学院への進学には結びついていないようだ。
図 海外留学を希望する学生の割合。女子学生が男子学生を上回っている。(「大学学部生の科学技術情報と進路選択に対する意識」より)
この調査は2016年3月、日本国内の大学学部に在籍する学生(18~30歳)を対象に、インターネットによるアンケートの形式で実施。男性1189人、女性2042人から得た回答を分析した。
その結果、3か月以内の「短期留学」を希望する学生の割合は、理系の男性が13.6%、女性が14.5%、理系以外の男性が13.2%、女性が17.7%で、いずれも女性が男性を上回っていた。3か月を越える「長期留学」でも、理系の男性が7.4%、女性が9.6%、理系以外の男性が13.3%、女性が14.7%で、女性で割合が高い傾向にあった。留学を希望しない学生は、その理由として、「直接海外に行かなくても、インターネットで情報は取れる」「留学は、日本で大学や大学院を出てからでいいと親が言う」「お金が余分にかかる」「留学でなくても、旅行で行けばいいと思う」などと回答した。
大学卒業後に大学院修士課程へ進学する希望の有無を聞いたところ、理系の男性は44.1%が、女性は21.3%が希望していた。理系以外だと男性は13.6%、女性は9.9%だった。いずれも、女子学生は男子学生の割合を下回った。
また、理系女性は大学への進学に際してその進路を決める際に、その他の学生に比べて、「保護者の意見」「就職への有利性」「資格や技術の習得可能性」を重視する傾向にあった。女性が理系に進学する際に障壁となる要因を男女学生に尋ねたところ、「「理系は男性の学部」というイメージ」「(結婚、出産などの)ライフイベントとキャリア形成の両立が難しい」「出産により研究が中断され、それに伴う休職中の支援が不十分」などを挙げた学生が多かった。博士号を取得しても「仕事か出産か?」の選択を迫られるようになることを多くの学生が心配していると、この調査報告では分析している。
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